今日のお買い物、ザ・ローリング・ストーンズ“A Bigger Bang”

ア・ビガー・バン (CCCD)

ア・ビガー・バン (CCCD)

On Air I Gave You IN THE BEGINNING―ALI Cut
ひさしぶりにCDをいっぱい買いました。HAGEN QUARTETTの新譜“BEETHOVEN:STRING QUARTETS OPP.127&132”も購入(アマゾンにはまだ情報が出てないみたいですが)。
中村屋インドカレーを食べて帰ってきて、さっそくストーンズのニューアルバムを聴いてます。“Bridges To Babylon”以来、なんと8年ぶり! もうそんなになりますか。時の経つのは早いね…
新譜はこれぞストーンズといったサウンドで、口当たりのよさと重厚感を兼ね備えた、かなりいい仕上がりになっています。「ポップでありかつロックでもある」なんて、言葉にすればいかにもありきたりな表現だけれど、こんなことが可能なのはやっぱりストーンズだからで、彼らがいくら元気だからといっても、純粋な新作としてリリースされるアルバムはあと数枚だろうし、そんなことは考えたくもないけれどこれが結果的に最後になってしまう可能性だって、「8年ぶり」ということを考えれば、どんなに悲しくても現実的にあり得ないことではなくて、そう思うと会社帰りにタワレコに駆けつけて新作を買って帰り、ドキドキしながらプレイヤーにかけ、スピーカーから飛び出してくる音に耳を澄ませ心躍らせるこの瞬間はやっぱりかけがえのないものなんだけど、それでも本当はそんなこと関係なくて、今ここで鳴っている音楽はまぎれもなくストーンズで、それで十分なのだし、この音には何度でも聴き返したくなる独特の力が、確かにあるのだと思います。
で、ストーンズを聴きながら昼休みに買ったキネマ旬報9月上旬号に載っている「高峰秀子独占インタビュー 成瀬巳喜男監督を語る」を読んで、高峰秀子の素っ気ない言葉遣いが、成瀬作品の中で触れた彼女の声、あの音声を伴って耳元で聞こえるかのようで、インタヴュアーが成瀬巳喜男の思い出を聞き出そうとするのをはぐらかすように、面倒くさそうに答えるその一見味気ない返事ひとつひとつの裏に、「成瀬さんが(その仕事を)いいと思って、私もいいと思った。それでいいんだよ」という言葉、「成瀬さんと私の間には誰も立ち入ることができない」という言葉が重なり合うように響くのを聞き、同時に成瀬のフィルム群の感触が鮮やかに脳裏に甦って、大げさかもしれませんが、感動してしまいました。貴重なインタヴューだと思います。