『てるてるあした』

結局紅虎餃子房は観られませんでした…
今週は体調ボロボロのうえ仕事のトラブルもあって最悪でしたが、何はともあれ週末です。最近は(日曜日ではなく)金曜日が待ち遠しい! もちろん『てるてるあした』があるからです。
 
先日『トップキャスター』と『弁護士のくず』における「教育」「成長」の主題について書きました。『てるてるあした』においてもふたりの女性の「成長」が描かれますが、舞台となる田舎町の空間的な狭さに反して、会社と仕事相手に限定される会社員的世界とは比べものにならない広がりと豊かさを獲得しているように思えます。それは例えば「教育」者の役割を担うのが老人*1と幽霊である点にも表れていて、先のふたつのドラマで「老人」の位置にある児玉清北村総一朗が、あくまで主人公たちを優しく支える役割にとどまるのに対して、草笛光子はより大きなポジションをドラマ世界に占めており、決して安定した位置から主人公たちに助言を与えるといったあり方ではなく、黒川智花とのやりとりを介して自身の過去との往還を迫られもする、揺らぎと変化を内包した存在なのです。草笛光子冨士眞奈美、大森暁美といった老女たちと主人公たちの年齢差は作品に豊かな幅をもたらしていますし、この世のものならぬ存在や現象も、荒唐無稽でうさんくさいものであるにもかかわらず、いやそれ故にこそ、世界の広がりを生み出していて、その広がりのなかで、主人公が自分の両親を受け入れ、さらに他者を受け入れていくさまが感動的です。
父親・母親との関係性、死者の鎮魂、都会と田舎、子供と老人、お金と無償の愛情、といった多様な主題が欲張りなまでに詰め込まれたこのドラマ、決して上手にまとまっているとは言い難いのですが、それでも職業的世界の狭さに囚われない時間と関係性の広がりによって、とても魅力的なものになっているように思います。最終回も近いことでしょうから、終わったところでまたなにか書くかもしれません。
 
爆笑問題の検索ちゃん』はあいかわらずの過激さで、『クイズ!爆笑難問題』を想起させもするその自由奔放ぶりに毎週唖然となりながら、息が苦しくなるほどに大笑いしてしまいます。

*1:草笛光子に対してこういう書き方は失礼にあたるでしょうが、あくまでドラマ内の描かれ方として、ということです。