『トップキャスター』最終回

こちらも今日が最終回。文句を言いつつ結局一度も欠かさず観てしまったわけですが、それというのもただただ矢田亜希子という人の(あくまでいい意味での)「からっぽさ」が、この上なくかけがえのない、貴重なものだからなのでした。これほどひどいドラマの中にあっても、その魅力は不思議と損なわれず、場違いな輝きを保っています。「イノセンス」というのとも少し違う、何ともとらえどころのない魅力を持った女優さんです。
それにしても、これ以上ないほどへたくそな脚本と徹底的に間違った演出によって作り出される場面の連続が、エモーションの持続もアクションの鮮烈さもなにも生み出さないさまを観ていると、分断され細分化されたシーンや設定のひとつひとつから、もうひとつ別の物語、別のドラマが止めようもなく頭の中に浮かび上がってきます。ここにはおもしろくなりうる要素が数多く含まれていたはずなのです。