『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』(5pb./ニトロプラス)

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!(通常版) - Xbox360

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!(通常版) - Xbox360

Xbox360版をプレイ。本日実績100%達成しました。トータル30時間弱。
 
 
CHAOS;HEAD NOAH』のファンディスクです。前作のトゥルーエンド後の物語となります。ヒロイン6人(うちひとりがふたり分なので7人)分のトゥルーエンドとバッドエンド(星来ルート)でエンディングは8つ。ですがトゥルーについてはすべて同じ物語なので(もちろんヒロインごとに細部は異なりますし、このゲームのおもしろさはその細部を楽しむことにこそあるのですが)、わりと単調と言えるかもしれません。『CHAOS;HEAD NOAH』が好きなわたしとしては、充分に楽しむことができました。
 
終盤のいささか単調な物語展開などに不満を感じつつもわたしが『CHAOS;HEAD NOAH』を好きな理由は、ひとえにあの主人公の造型にあります。引きこもり*1でオタクで他人との接触を極端に嫌い、ビルの屋上に設置されたコンテナハウスでオンラインゲームばかりやっているという設定の主人公に、どのようにして行動を選択させ、物語を進めていくか。アドベンチャーゲームが選択肢というかたちでなんらかの「行動」を主人公=プレイヤーに選択させることにより物語を語るシステムだとするなら*2、「行動しない」ことがデフォルト設定の主人公の場合、物語は果たして効果的に展開されうるのか。以上がプレイ開始直後のわたしの興味でした。
 
実際に遊んだ人ならご存じの通り、『CHAOS;HEAD NOAH』では「行動」を選択する代わりに「妄想」を選択し、「妄想」そのものが現実の「行動」となってしまうという世界観のもとで物語が進んでいくわけで*3、その意味では結局のところ普通のアドベンチャーゲームと変わらないのですが、とは言えこの主人公の造型には新しい試みが確かに感じられたのでした。

*1:留年しない最低限の出席日数だけは学校に行っているので、厳密には「引きこもり」とは言えないのかもしれません。

*2:もちろん選択肢のなかに「行動しない」ことが含まれるのは決してめずらしいことではありませんが、選択肢というシステムが前提されている以上、「行動」から遠ざかろうとする主人公をあえて設定することは、あまりないのではないでしょうか。

*3:実際のところは「妄想」=「行動」とまで明快ではないのですが…。