『レザボア・ドッグス』(クエンティン・タランティーノ)

BDで。劇場公開時以来、2度目。ウィキペディアによれば日本公開は1993年4月らしいので、およそ24年ぶりということになります。当時わたしは大学生でした。
初見時には全然ダメだと思いましたが、時をおいて観直してみると、そこまで悪い映画ではありませんでした。当時は、肝心の事件(宝石店強盗)を直接的に描かず、そのまわりをぐるぐると旋回することでなにかを語った気になっていると感じ、「それそのもの」を示すことこそが映画だと思っていた者としては(これは今でもそう考えています)、あのタランティーノ的なおしゃべりも含め、到底認めがたかったのです。そしてあの傑作『デス・プルーフ』を観るまで、わたしにとってのクエンティン・タランティーノは「ダメ」な作家であり続けたのですが、今は近作『ジャンゴ 繋がれざる者』や『ヘイトフル・エイト』がそうであるように、傑作とまでは言えなくとも決して悪くない映画を撮る作家であると思うようになりました。と同時に、もう『デス・プルーフ』のような傑作を撮ることはないだろうとも思います。あれはなにかの間違いでできあがった奇跡のようなフィルムです。
犯行現場の下見場面はもっと長かったように記憶していたのですが、1シーンだけでしたね。

レザボア・ドッグス [Blu-ray]

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