『ニーア オートマタ』(プラチナゲームズ/スクウェア・エニックス)

3/10から始めて、本日トロフィーコンプリートしました。プレイ時間は後述しますがトータル100時間超、

以下、若干のネタバレあり。
















前作『ニーア レプリカント』の感想()を読み返すとややネガティヴな書き方をしていますが、やり終えてから自分のなかでの評価が少しずつ上がっていたようで、続編の『ニーア オートマタ』も発売前からかなり楽しみにしていました。進行中のゲームを終わらせてからスタート、と思っていたのですが、結局我慢できずにやっていたものを放置してこちらを始めることに。


夢中になってひととおり遊び終えて、とにかく素晴らしかったのひと言に尽きます。今作もひとつひとつの要素には既視感がありますが(意図的と思われる引用やそうでないものも含め)、それらが無節操に統合された総体としての作品の、いびつさ、ひずみ、ゆがみが、それら複数の要素を束ねるものである物語や音楽と絡み合って、感情に訴えかけてきます。この、一見統一感を欠いたように見えもする複数の要素の寄せ集め、という点はゲームならではだと感じました。このゴツゴツとしたいびつな感触は非常に貴重なものに思えますし、総合芸術であるゲームだからこそ実現が可能なものだとも感じます。


たとえば、いびつさの印象を強めている要素のひとつがハッキングモードです。RPGなのにシューティングがあるというのは、もはやヨコオタロウ作品のトレードマークと言ってもいいくらいですが、本作ではシューティングという既存の(世の中にすでにある)ゲームシステムが、物語上の設定を通して、本来異質なRPGというシステムに、異質さを損なわないままに接着されています。「異質さを損なわないままに」というのがポイントです。無理に溶け込ませているわけではなく、別々のものが結果的に平然と同居している。よくよく見ると異様なのですが、遊んでいる流れのなかでは違和感などまったく感じません。でもどこかしらに異物感がある。この異物感こそが、『ニーア オートマタ』のプレイを唯一無二の体験にしています。


ゲームとしての作りですが、まずはバランス調整が実に見事です。ストーリーだけであればさほど苦労せずクリアできますし、トロフィーも難易度によるものがないため、イージーやノーマルでもコンプリートできます。アクションゲームが苦手なわたしは長距離ジャンプに苦戦しましたが、失敗を重ねるうちに飛べるようになるものです。自分基準でアレですが、少なくともわたしにとっては簡単すぎず難しすぎずという絶妙のバランスだと感じました。
ちなみに難易度はほぼ全編ノーマルでプレイしました。例外がゲーム開幕の最初のボス戦で、ノーマルで5、6回負けて心が折れ、結局イージーで乗り切りました。この最初のボス戦は無理ですが、RPGならではの作りで、レベルを上げればプレイヤースキルが不足していても難所を乗り切ることができるようになっています。また、トロフィーについてはストーリーをある程度進めるとゲーム内通貨で購入することができるようになりますが、わたしはそれを使わず正攻法でコンプリートしました。


キャラクター造型やモーションの美しさについても触れないわけにいきません。2Bの動きの優雅さは格別です。宝箱を開けるときの、足で蹴り上げるモーションの素晴らしさ!キャラクターを操作することの喜びが追求されていて、実に好ましく思いました。そしてその2Bがうまく操作できなくなるC/Dルートのあの部分…。ここにもシステムと物語の巧みな接合が見て取れます。


Eエンドをプレイしてしまうと、セーブデータを消すほうの選択肢を選ばざるを得ません。ということで中途半端にやりこんでいた1周目のデータを消し、またイチからやり直してトロフィーコンプリートした次第です。1周目50時間弱、2周目が60時間弱、合計でプレイ時間100時間超。
プラチナを除いて一番最後に取得したトロフィーは「最強支援兵器達」(全てのポッドを最高レベルにした者が現れる)で、単純な機械集めには苦労しました。廃墟都市の採取ポイントマラソンも試しましたが、それよりは隠し採取ポイントでとれることの方が多かったです。また、精巧な機械のためのサブクエスト「情報収集部隊」クリア(個体データ95%以上)も手がかかりました。レアポップの差分とか、非常にわかりづらい…。後者はクエスト報酬ですからまだしも、前者の単純な機械もクエスト報酬で必要数が手に入るようになっているべきだとは思いました。採取マラソン前提というのはさすがに作業感がありすぎます。
でも不満点はそのぐらいで、繰り返しになりますがトータルとしては非常に素晴らしいゲームだと思います。傑作と言っていいのではないでしょうか。


これを書いているのは5/4ですが、5/2に発売されたDLCももちろん購入しました。まだプレイ途中ですが、週末までにクリアしたいと思います。エンドコンテンツとも言われている魚図鑑コンプもがんばってみたいところです。
また、今時のゲームはそういうものが多いのかもしれませんが、『ニーア オートマタ』も発売後のプロモーションが充実していて、特に公式生放送のカオスぶりが実に素晴らしく、毎回楽しく見ています。ヨコオさんの韜晦癖が逆にいいプロモーションになるというのも『ニーア』ならではですよね。攻略本2冊やサントラも購入し、時間がないというのにコンサートのネットチケットまで買ってしまいました。ここまでハマったゲームはひさしぶりかもしれません。
(5/4記)




(以下、6/6追記)
その後もちまちま進めて、ようやくクエスト・個体データ・魚図鑑が100%になりました。


前回の記事でひとつ訂正があります。単純な機械ですが、前回時点で未クリアだったクエスト「通信環境の改善」の報酬にありました。クエストだけで必要な個数すべてそろうかはわかりませんが、ある程度クエストをこなしておけば、採取ポイントマラソンにさほど時間を割かなくてもよさそうです。


レベリングについて書きそびれていましたが、わたしは77ぐらいから遊園地のウサギで上げきりました。普通に殴ると、特にレベルの低いうちは硬くて時間がかかるのですが、ハッキングなら比較的短時間で倒すことができます。うろ覚えですが、全部で10体も倒していないような…。ともあれ、レベル上げについては全体を通してまったく苦労しませんでした。バランス調整の絶妙さがこういうところにも感じられます。


魚図鑑はとにかく時間がかかりました。特にピラルクとカブトムシウオには苦戦しまして、前者は3時間近くかかりました。とはいえ、時間さえかければ結果が出るので、予想していたほどつらくはなかったです。


DLCですが、一応クエストはクリアしましたし社長戦も勝ちましたが、各コロシアムのEXステージは全部未クリアです。幾度かトライしてみたのですが、勝てる気がしません…。