『ライフ イズ ストレンジ』(DONTNOD Entertainment/スクウェア・エニックス)

4/20に始めて、4/27にエンディング到達、本日トロフィーコンプリートしました。プレイ時間はだいたい12時間ぐらい。ミドルプライス作品と言うこともあり、わりと短めです。


難易度は低いのですが、それでいてゲーム性が非常に高く、ゲームならではの表現を実に見事に作品化している点で、最後までとてもおもしろくプレイすることができました。
ひと言で言うと「海外ドラマのなかに入り込んだような作品」「海外ドラマの主人公を操作する作品」ということになりますが、この「入り込んだ」感覚を生み出しているのが主人公の能力である「時間の巻き戻し」にまつわるUIです。ワンアクションで特定の時点まで飛ぶかたちではなく、ボタンを押し続けることで映像と音がギュルギュルと巻き戻っていき、本当に能力を使って時間を巻き戻しているような感覚を得られるのです(もちろん擬似的にですが)。UIと物語がとてもうまく結びつけられています。


時間を巻き戻す能力のため、バッドエンドになる直前で時間が止まり、巻き戻してのやり直しが示唆されるというつくりも、遊びやすくてよかったです。ずっと前の分岐まで戻る必要はなく、直前の選択肢や行動をやり直せばバッドエンドを回避できるように作られています。また、巻き戻し能力を使ったギミックもいくつかあり、ゲーム性を高めています。これらは、巧みに配置されたヒントにもとづいてほんの少し考えればやり方を思いつけるように作られていて、難易度バランスの的確さが際立っています。


他方で、物語は『バタフライ・エフェクト』(エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー)などのタイムリープものを継ぎ接ぎしたような既視感のある内容ですし、章ごとの終盤に律儀に配置された急展開なども、むしろ興ざめに感じました。特に4章ラストで真犯人が判明した時には、その意外性の薄さと展開の陳腐さにとてもガッカリしたのですが、続く5章の描写(特に「悪夢」パートの表現)が素晴らしく、物語そのものというよりは語り方が優れたゲームだと思いました。