『フール・フォア・ラブ』(ロバート・アルトマン)

DVDで。初見。回想シーンでちょっと変わったことをしていて、ナレーションで語られることと映像で描かれることに微妙なズレがあるのですが(たとえば、ナレーションでは「母はわたしの手を強く握りしめて歩いた」と語られているのに、画面の母と娘は手をつないでいない)、映像が正しくてナレーション=登場人物の記憶がねじ曲げられているのか、それともその逆なのかがよくわからず、またその差異に意味があるのかないのかも不明なまま、観ているものは宙吊り状態に置き去りにされます。

サム・シェパードが藁をくわえ、対するキム・ベイシンガーが唇を指でなぞり、その後突然激しく抱き合ってキスを交わすシーンなど、口唇器的な演出が多くありました。