『永遠に美しく…』(ロバート・ゼメキス)

DVDで。『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』と『フォレスト・ガンプ/一期一会』のあいだに位置する作品。デヴィッド・コープの初期の仕事でもあります。観るのは今回が初めて。スチール写真のイメージが強烈だったので、漠然ともっとえげつないものをイメージしていたのですが、確かに寒々しくはあるものの、意外に普通の映画としての体裁を保っているようにも感じられます。ここから『キャスト・アウェイ』の残酷な寒々しさにたどり着くまでを、もう一度たどり直してみたくなってきます。
老化を拒絶したメリル・ストリープゴールディ・ホーンのふたりが、生ける屍としてつぎはぎだらけの姿でブルース・ウィリスの葬式を訪れるさまには、無様に生き延びてしまう「映画」のネガティヴな面を重ねて観ることもできそうです。逆に不老不死の薬を拒絶するブルース・ウィリスは落下=死を通して真実の「生」を獲得するのですが、その生き直された「生」については、葬式の席で神父の口から語られるかたちでしか描かれないのでした。