2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ビバリーヒルズ・コップ2』(トニー・スコット)

DVDで。公開時に観て以来、実に18年ぶり。ちなみにその当時、わたしは高校生でした。 いい加減なことをまくし立てつつ、ルール無用の強引さで捜査を進めていくエディ・マーフィの主人公は終始無傷で、というかロニー・コックス演ずる老刑事が最初の方でブ…

『リベンジ』(トニー・スコット)

ビデオで。元空軍パイロットという主人公ケヴィン・コスナーの設定には当然『トップガン』を連想させられますし、メキシコ的風土と「復讐」の主題は後の『マイ・ボディガード』に受け継がれます。トニー・スコット作品では年配の男性、ほとんど「老人」と呼…

季節の変わり目

冬から春、夏から秋のタイミングで毎年必ずと言っていいほど風邪をひきます。子供の頃からの副鼻腔炎が、この時期になると決まって悪化するのです。ここ数年は全く行っていませんが、その昔東京国際映画祭に通っていた頃も、観たい映画のチケットを事前に購…

『姿なき脅迫』(ジョン・カーペンター)

ビデオで。週末恒例「ジョン・カーペンターの復習」シリーズ。ソウル・バス風のタイトルデザイン*1に始まり、向かいのビルからの望遠鏡によるのぞきという『裏窓』を思わせる設定など、ヒッチコックの影響を指摘することはさして難しくないでしょう*2。しか…

今日のお買い物、仕事の歓び

仕事の楽しさをどこに見出すかは人それぞれでしょうけれど、わたしの場合、同じプロジェクトに関わっている人たち、社内・社外を問わず同じひとつのものを作る仲間たちが、それぞれ自分のやり方で仕事をする、そのやり方に接することに、歓びを感じます。同…

『クリムゾン・タイド』(トニー・スコット)

DVDで。これからしばらくトニー・スコット作品を集中的に観ようと思っています。わたしがトニー・スコットの名前をはっきり意識し始めたのは恥ずかしながら比較的最近、『エネミー・オブ・アメリカ』からのことなのですが、それ以前の監督作品もだいたい…

『ヌーヴェルヴァーグ』(ジャン=リュック・ゴダール)

吉祥寺バウスシアターにて。boid presents Sonic Ooze Vol.8「爆音ゴダール・ナイト#1」の4本目、ラストの作品。フィルムで観るのは公開時以来、ひさしぶりです。精神的におかしかったせいもあるでしょうが、前半部分から涙があふれてきて、そのまま最後ま…

今日のお買い物、今日の疲労困憊

会議の場で状況の改善を求める発言を強いられて、それがまた言ってもよくなることなどまるっきり望めないのが発言する前から明らかで、徒労感に苛まれつつも、それでも自分しか言う人がいないとなればしかたなく、でも淡々と現状の説明をしているうちに、な…

『ラスト・ボーイスカウト』(トニー・スコット)

DVDで。ひさしぶりの再見。冒頭のアメフトの試合、ギャングに脅されていた選手のひとりがいきなり拳銃で相手チームの選手を撃ちまくったあげく自殺してしまうところからしてもうむちゃくちゃです。どこかで観たようなよくある物語を、つるつるした引っか…

『新ドイツ零年』(ジャン=リュック・ゴダール)

吉祥寺バウスシアターにて。boid presents Sonic Ooze Vol.8「爆音ゴダール・ナイト#1」3本目。このフィルムを観るのはひさしぶり。旧東独に潜伏していた密偵レミー・コーション=エディ・コンスタンティーヌが壁崩壊後に西側へと向かう行程に、ドイツおよ…

『ドミノ』(トニー・スコット)

吉祥寺東宝にて。楽しみにしていたトニー・スコットの新作、公開初日に駆けつけましたが劇場はガラガラでした。 前作『マイ・ボディガード』同様、今回もものすごくおもしろい映画だと思うのですが、正直このおもしろさをどう言い表したらいいものか、観終わ…

『ザ・フォッグ』(ジョン・カーペンター)

DVDで。『遊星からの物体X』以上に『遊星よりの物体X』(クリスチャン・ナイビー)的な作品。ラストでエイドリアン・バーボーがラジオを通して呼びかける「霧に気をつけて」という言葉は、『遊星よりの物体X』の有名なセリフ、‘Watch the sky. Keep wa…

今日のお買い物

スクラップ・ギャラリー 切りぬき美術館作者: 金井美恵子出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/10/14メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (36件) を見る買い物の後、新宿中村屋でインドカリー。ゴスペラーズの黒沢薫さんが最近出した、カレ…

『右側に気をつけろ』(ジャン=リュック・ゴダール)

吉祥寺バウスシアターにて。boid presents Sonic Ooze Vol.8「爆音ゴダール・ナイト#1」の2本目。今年の6月に同じ爆音上映企画で観て以来、4ヶ月ぶりです(前回の感想はこちら)。 これもまた映画についての映画なわけですが、光源とそこから前方に投影さ…

『サイコ』(アルフレッド・ヒッチコック)

DVDで。先日の『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン)に触発されて、ひさしぶりに。何度も観ていて物語の成り行きや結末を知っていても、観始めればやっぱり引き込まれてしまいます。有名ないくつかの場面やショットももちろんいいのです…

小津安二郎フィルモグラフィ

特典ディスクの残りも昨日最後まで観て、これでようやく小津安二郎監督作品の全DVDを観終えたことになります。スタートが8月の初めでしたから、2ヶ月半かかった計算です。半分以上の作品は今回が初めてだったわけで、特にサイレント期の傑作群のすばら…

今日のお買い物!お買い物!フゥ!

Hangable Auto Bulb (WARPCD138)アーティスト: Aphex Twin,エイフェックス・ツイン出版社/メーカー: WARP RECORDS発売日: 2005/11/01メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (16件) を見るこのほかポリーニのショパン“NOCTURNES”も購入。マウス・オ…

松浦寿輝「方法叙説」(群像2004年9月号)

松浦寿輝による、早すぎる自叙伝であり自作解説。昨年これを発表した時、松浦先生はまだ50歳になるかならないかだったはずです。時間軸に沿った展望のもとに、過去から現在(現在から過去)に向かってリニアに自作を振り返るというのではなく、あるいはひと…

『勝手に逃げろ/人生』(ジャン=リュック・ゴダール)

吉祥寺バウスシアターにて。boid presents Sonic Ooze Vol.8「爆音ゴダール・ナイト#1」の1本目です。 ゴダールの映画はどの一本もかけがえのないものですけれど、あえて一番好きな作品、大切な作品を選べと言われれば、わたしは『フォーエヴァー・モーツア…

『秋立ちぬ』(成瀬巳喜男)

東京国立近代美術館フィルムセンターにて。初見。これはすばらしい作品でした。橋の中程で主人公の少年(大澤健三郎)と少女が初めて出会う瞬間からして感動的です。ふたりの二度目の出会いはトマトによって媒介されます。映画の冒頭、乙羽信子と少年が公園…

『クリスティーン』(ジョン・カーペンター)

DVDで。週末恒例の「ジョン・カーペンターの復習」シリーズ。1957年のデトロイトに始まるこの作品で、もちろん主役は「クリスティーン」と呼ばれる車であり、車をめぐるオブセッションの話であって、つまりはアメリカについての物語になっています。加え…

『和製喧嘩友達』『突貫小僧』『鏡獅子』(小津安二郎)

小津安二郎DVDボックス第4集の特典ディスクに入っている作品です。『和製喧嘩友達』と『突貫小僧』はいずれも再編集された15分ほどの断片なのですが、元のフィルムのすばらしさをうかがわせるような、魅力的なショット・シーンを多く含んでいます。例え…

舞城王太郎『暗闇の中で子供』(講談社ノベルス)

暗闇の中で子供 (講談社ノベルス)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/09/06メディア: 新書購入: 8人 クリック: 38回この商品を含むブログ (202件) を見るちょっと長くなったので畳みます。ネタバレ全開ですのでご注意ください。

『学生ロマンス 若き日』(小津安二郎)

DVDで。「横に並ぶこと」の主題は、この最初期の作品*1においてすでに全面的に展開されています。結城一郎と斎藤達雄のコンビは、下宿で窓際の机に並んで座り、窓を開けて外の煙突を眺めますし、スキー場に向かう汽車でも窓からふたり一緒に身を乗り出し…

『朗かに歩め』(小津安二郎)

DVDで。『非常線の女』の原型のような作品です。主人公(高田稔)と弟分(吉谷久雄)との関係は、小津作品にはあまり見られない種類の(やくざ映画風の)ウェットなものですが、最晩年の作品に至るまで繰り返される男同士・女同士の排他的関係性のヴァリ…

『その夜の妻』『落第はしたけれど』(小津安二郎)

DVDで。『その夜の妻』には心底しびれました。なんと言っても八雲恵美子がすばらしいのですが、彼女が看病疲れでうたた寝してしまい、ふと眼を覚ますと先ほどまで自分の手にあった二丁の拳銃が自分に向けられていることに気づき、ハッとなるところなど、…

『シン・シティ』(フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス)

新宿ミラノ座にて。ひさびさにひどいものを観させられました。冒頭から延々と続くヴォイスオーヴァーの趣味の悪さに心底うんざりさせられ、それはどうにか我慢するにしても、キャメラポジションや人物配置や空間設計がことごとく的外れで、しまいには配役ま…

東京スープカリー・こだわりチキンのスープカリー@Tokyo Soup Curry

映画の合間に、歌舞伎町に最近できたばかりのスープカリーのお店に入ってみました。 オーダーしたのはチキンのカリーとマンゴーラッシー。カリーの方は5段階ある中の2番目、中辛にしたのですが、わたしにはちょうどいい辛さでした。味は以前下北沢で入った…

『頭文字D』(アンドリュー・ラウ、アラン・マック)

新宿シネマミラノにて。細かいことを言えばいくらでもケチのつけようはあるでしょうが、総じておもしろい映画だったのではないでしょうか。スローモーション、ストップモーションの多用が少しやり過ぎな印象ですが、分割画面の使い方は悪くないです。アンソ…

『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン)

新宿ピカデリー1にて。ティム・バートン作品ではおなじみの、小高い場所にそびえる屋敷(工場)とその下に広がる街という世界の中で物語は繰り広げられます。頭全体を覆う歯列矯正器を装着した子供時代のウィリー・ウォンカがハロウィンでもらってきたお菓…