『クリスティーン』(ジョン・カーペンター)

DVDで。週末恒例の「ジョン・カーペンターの復習」シリーズ。1957年のデトロイトに始まるこの作品で、もちろん主役は「クリスティーン」と呼ばれる車であり、車をめぐるオブセッションの話であって、つまりはアメリカについての物語になっています。加えて「クリスティーン」が覚醒し邪悪な行動に出る前に、ライトを灯し、車内を白く輝く光で満たし、時には炎をまとって燃え上がるのですが、それと同時にカーラジオでオールディーズをならします。発光し光を前方に投げかけるとともに、音を出す機械という意味では、映写機そのものであって、要するにこれもまた映画をめぐる映画、なのです。
若者たちの話ではあるのですが、老人たちが存在感を強く示してすばらしいです。特にロバート・プロスキー。彼がショットガンを構える姿は本当に感動的なのですが、ジョン・カーペンターほど映画におけるショットガンの見せ方を熟知している作家も、現在ではまずいないと言っていいでしょう。