評判どおり、とてもおもしろかったです。最新刊まで一気に読み終えてしまいました。物語的には『
ベルセルク』と同型であり、語りの構造の面でも、現在時点から一度過去にさかのぼるという同じ方法を用いています。『
ベルセルク』はガッツとグリフィス(フェムト)の絶望的な力の隔たりをいかにして埋めるかというときに、時間と空間を費やして「リアリティ」を確保するというやり方を選択したのではないかと思うのですが、そこを丁寧にやろうとすればするほど、結末までの道のりが無限に引き伸ばされ、終わりが見えなくなっている感もあります。『
シグルイ』は最終的に1巻目冒頭の「
駿河城御前試合」に戻ってきたところでスパッと決着をつけてくれると思いますし、そうであってほしいところです。