『トランスフォーマー』(マイケル・ベイ)

新宿プラザにて。隣の席の人が本編が始まったとたんに*1白いうちわをパタパタやり出し、さらにはカバンかなにか硬いものにうちわを当てるパシパシという音も断続的に聞こえ始め、いい大人が自宅でくつろいでるんじゃないんだから!といらついているうちにロボの名前が敵も味方も含めてさっぱりわからなくなってしまって、終盤はちょっと眠かったです。それにしても、確かにわたしは神経質な方ですが、映画を観てるときに視界の隅に白いものが始終動いていることを想像してみていただきたいわけです。映画館で映画を観るのが好きな人なら、このいらだちをきっと理解してくれるはずです。
前半の車が勝手に動き出すところやエアフォース・ワンに忍び込んだエイリアンが機密情報を盗み出す場面、エイリアンの残した痕跡を解析するために音声分析に秀でた人びとが集められるシーンなどは悪くなかったと思いますし、特に主人公の少年が生まれて初めて手に入れた車が独立した意志を持って行動するというあたりには『クリスティーン』(ジョン・カーペンター)が意識されていて、そもそも車が変形して巨大ロボになるという物語の「欲望」は『クリスティーン』のそれと重なり合っていて、そこに「アメリカ」の主題を読み込むことも可能だと思うのですが、どうもジョン・タトゥーロが登場するあたりからつまらなくなってしまったような気がします。
  

*1:予告編の最中からソレだったら迷わず席を替わっていました。