『プラネット・テラー in グラインドハウス』(ロバート・ロドリゲス)

日比谷みゆき座にて。
決して退屈ではなかったけれど、おもしろかったかと問われれば首をかしげざるを得ないという意味で、まあいつものロバート・ロドリゲスでした。ゾンビ映画というよりも、『要塞警察』や『ゴースト・オブ・マーズ』といったジョン・カーペンター監督作品を想起させられるのですが*1ジョン・カーペンターにあってロバート・ロドリゲスにないものは、空間の密度の濃淡を作り出すショットの連鎖、空間の境界線を際だたせる演出なのだと思います。警察署前とバーベキューハウスのバトルシーンや病院内の描写を見ればそのことは明らかです。「シッコ」たちがただそこいらじゅうにいるだけでは、緊張感が空間的に生み出されることはありません。アクションシーンはあっても「活劇」は生まれない、と言えばよいでしょうか。
 
それにしてもロバート・ロドリゲスヴィスタサイズが好きですね。わたしのかなり曖昧な記憶によれば『デス・プルーフ in グラインドハウス』のほうはシネスコだったと思うのですが、もしこの記憶が正しければ、「USAバージョン」では途中でスクリーンサイズを変えていたのでしょうか。もちろん2本立てでそれぞれサイズが違っていること自体は全然不思議ではありませんが。

*1:そういえば「special thanks」にもジョン・カーペンターの名前が挙がっていましたね。