ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII - PS3
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2013/11/21
- メディア: Video Game
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ちなみに1周目はイージーモード、2周目はハードモードでプレイしました。1周するだけならこの半分以下の時間で終わります。
さて感想ですが、世評とさして変わらなくて、簡単に要約すると「システム・バトルはおもしろいがお話はダメ」ということになります。少なくとも、前作『ファイナルファンタジーXIII-2』(以下『FF13-2』)の感想の最後に書いた「『FF13-3』には、今回の分も含めてのおおきな物語とおおきなカタルシスを、期待しています」という願いは、残念ながら叶えられたとは言い難いです。
とはいえ急いで補足するなら、『ファイナルファンタジーXIII』の1作目(以下『FF13』)から続く物語を、一応ハッピーエンドで締めくくってくれたという点では、それなりに納得しています。しかしあの結末に至るストーリーの語り方としては、いささか問題があると言わざるを得ません。言葉の上で「神を倒して新しい世界を勝ち取りました」と告げられただけで、その過程がすっ飛ばされているとでも言いますか。最後にだけ登場する「神」=ブーニベルゼを倒したところで、そこに至るまでのあいだに「神」の力の強大さを示すあれやこれやが描かれないのであれば、ただの強いモンスターを倒したに過ぎず、カタルシスを得られるはずもない。たった13日間、街の人や昔の仲間たちの願いを(クエストをクリアすることによって)叶えたぐらいで「神」を倒せるようになるというのも間の抜けた話で、そもそもライトニングさん最初から強かったってことなんじゃないの?と言いたくもなりますし、それだと『ライトニングリターンズ』(以下『LRFF13』)におけるゲームプレイそのものが無意味になりかねません。
いやもちろん、『FF13』から続く物語全体で考えるべきなのでしょう。起承転結の「結」の部分のみ取り出して、そこに物語的な展開を求めるのは誤りなのかもしれない。ですが「ライトニングサーガ」全体で見たとしても、『FF13-2』のラストのあの絶望的な状況から、ライトニングさんが世界を救い、仲間を救い、セラを生き返らせるというその過程がストレートに描かれる物語を期待していたものとしては、肩すかし感が否めないのです。
もしかすると、そんなストレートな物語なんて今の時代では成立しない、ということを言いたいのかもしれません。…うん、なんだかそんな気もしてきました。
登場人物がひたすら設定をしゃべるというイベントシーンのありようも、わたしが不満に感じたポイントでした。実際、ほとんど頭に入ってこなかった。これには、1作目も2作目も発売日直後に遊んだきりで、お話の細部を忘れかけているということもあるかと思います。もしかするととても興味深いことが語られていたのかもしれませんが、いずれにせよ、語り方はもう少し考えてほしかった気がします。
システム面について。全体的に取っつきにくさはあるものの、慣れてしまえばとてもおもしろいです。バトルシステムについて言えば、「スタイルチェンジ」は要するに『FF13』『FF13-2』の「パラダイムシフト」が元になっていて、3つのスタイルにカスタマイズでどんなアビリティをつけるかに戦略性が求められます。
『LRFF13』の最大の特色は時間制限で、一般的にはあまり評判がよくないようですが、わたしは結構楽しめました。なにもしなくてもゲーム内時間がどんどん進んでいき、与えられた日数内に必要なクエストをクリアしないとエンディングにたどり着けないのですが、ゲーム内のポイント(GP)を消費して「クロノスタシス」という能力を発動させると時間の進行を一時的に止めることができるため、「クロノスタシスを使って時間を止める→止めているあいだにモンスターを倒してGPを稼ぐ→クロノスタシスの効果が切れたら稼いだGPでまたクロノスタシスを発動させる」を繰り返すと、時計の針を進めずにプレイすることができます*1。一方で制限時間に焦らされつつ、もう一方で時間が引き延ばされていくという感覚はなかなか興味深かったです。
いろいろ不満も書きましたが、ともあれこれにて「ライトニングサーガ」は完結です。制作者の皆様、お疲れさまでした。なんだかんだ言いつつも、発売日前の期待も含めて、十分以上に楽しませていただきました。現在PS4向けに開発中という『FF15』も楽しみに待っています。