『アビエイター』

新宿ミラノ座で『アビエイター』(マーティン・スコセッシ)を観ました。
5月3日から劇場が変わってしまうので、全然お客さん入ってないのかなと思っていたら、今日わたしが行った回は満席とまではいかないにしろ、結構入っていました。
 
あまりいい評判を聞いていなかったし、160分以上もある大作だし、『ギャング・オブ・ニューヨーク』並にダメな映画だったらどうしようと不安だったのですが、予想外に楽しめました。強迫神経症的な痙攣を伴うスクリーンとしての「ハワード・ヒューズ」=アメリカ映画。水で身体を洗うことでその痙攣をいやす女たち。その女たちのひとり、キャサリン・ヘップバーンを演ずるケイト・ブランシェットがとにかくすばらしく、彼女の演技を観に行くだけでも、十分に価値があると思います。
 
飛ぶことに対する執着、潔癖性、「耳が遠い」ことなどなど、興味深い主題も多々あって、それらが統御されて明瞭な像を結ぶというような演出にはなっていないあたりも面白いんですが、もう少し考えてみたい映画ではあります。