『インファナル・アフェアⅢ 終極無間』

続けて新宿東急で『インファナル・アフェアⅢ 終極無間』(アンドリュー・ラウアラン・マック)。
 
長い映画を観た後で疲れていたのもあるのですが、全然楽しめませんでした。シリーズ3部作のなかでは一番出来が悪いと思います。
1作目はスパイもの、2作目は『ゴッドファーザー』ばりのギャング映画、と明確なイメージを結んでいましたが、新作はそのあたりが曖昧で、いったい何の映画なのかはっきりしない作りになってしまっている印象を受けました。アンディ・ラウが迎える結末についてはタイトルから言っても必然なのでしょうが、それにしてもこういう物語にしなければならなかったのでしょうか。合わせ鏡的な存在であるトニー・レオンに自身を重ね合わせて、彼に自分を同一化しようと図るあたりも、演出的に非常に分かりにくく、あまり効果的とは思えませんでした。保安部への内偵と潜入も、金庫のダイヤルの部分などは面白かったですが、だましだまされるという関係性がうまく描けていないんですよね。