『トニ』

ゲームのしすぎで左眼が腫れて視力が落ちてるのですが、そんななかDVDで『トニ』(ジャン・ルノワール)を観ました。初見です。
単に分数が短いからという理由でこれを選んだのですが、あまりのすごさに呆然。なめていたつもりは全くないのですが、すっかり油断しておりました。これはとてつもない傑作です。主人公トニの親友の存在が実に効果的だとか、トニとマリーが住む家の窓がルノワール的だとか、ラストの鉄橋の上を走るトニを捉えた移動撮影がすごいとか、細部を挙げればきりがないのですが、脚本(ドラマ構成)から撮影から演出から俳優たちまで、すべてが奇跡的な美しさのもとに結びついている、ということなのでしょう。