『雨と夢のあとに』

最初は全然興味なかったんだけど、気がつけば毎週ほぼ欠かさず観てます。結構面白いのです。幽霊の話で、生きてる人に姿が見える・見えないが重要な物語上の要素だったりするのですが、見える人には見えて、見えない人には見えないという強烈なご都合主義が何とも爽快です。今日は、木村多江も実は幽霊でしたという話で、見た目から言っても「ああ、やっぱりね」的な展開ではあるのですが、悪くなかった。沢村一樹親子と木村多江が住む古いマンションがなかなかよくて、セットとロケをうまく組み合わせているんだと思いますが、非常にいい空間設計になってます。来週は最終回。
それにしても、それほど多く観ているわけではないのでアレですけど、映画における省略の技術などすっかり忘れてしまいましたとでも言わんばかりに、だらだらと締まりのない時空間が展開されるテレビドラマが多いような気がします。『雨と夢のあとに』みたいな一話の中でエピソードが完結するタイプのものはまだいいんですけど、それ以外のものは、毎週楽しみに観ている『夢で逢いましょう』にしても、演出・脚本ともにゆるみきった場面がときどきあって、とても残念な気持ちにさせられます。今週の『エンジン』なんてその最たるもので、木村拓哉の演技も含めて、眼を覆いたくなるほどの惨憺たる有様でした。テレビドラマに多くを求めるなってことなのかな。