『ザ・リング2』

新宿オデヲンにて『ザ・リング2』(中田秀夫)を観ました。隣の小屋では『電車男』が立ち見になっていましたけれど、『ザ・リング2』の方はそこそこの入りで、ひょっとしたら列がついてるんじゃないかと早めに行ったのですが、全然そんな必要なかったみたい。もうみんな『リング』シリーズにはすっかり飽きちゃったのでしょうか。
映画の方ですが、こんな言い方もアレですけど、堂々たるハリウッド映画になっていました。街の通りの撮り方とか実によくて、そもそもオレゴン州の海辺の街っていう設定からしていいんですよね。確かナオミ・ワッツが勤める新聞社の向こうに海が見えたと思うんですけど、地方の小都市(なんだと思います、舞台となっている街については詳しく知りませんが)の雰囲気を2、3のショットで的確に表現してみせるあたりは、中田秀夫の映画的知識の裏付けあってのものでしょう。冒頭のシーンや中盤の鹿のシーン(あれは怖かった)、風呂場の水の演出など、強く印象に残る場面もいくつかあって、全体としては悪くない出来だと感じました。
しかし、わたしに集中力がなかったせいかもしれないんですけど、全体としての演出意図が今ひとつはっきりしなかったとも思います。水をめぐる演出にも決定的な新鮮さに欠けますし、三日月とかもなんだったのかよくわからないし…。鹿とか出すのでデヴィッド・リンチなのかしらと一瞬思ったんですけど、リンチ作品の「不気味さ」とは質の違うものを作ろうとしているのは間違いないし。うーむ。