と書いておきながら、今日はロメールじゃなくヒッチコック作品をDVDで観ました。
情報誌を買っていないので最近はどうだか知りませんが、わたしが大学生の頃(もう十数年前です)は都内のどこかしらで年に1、2度ヒッチコック特集をやっていて*1、『海外特派員』は少なくとも3回は観ているはずなのですが、今日ひさしぶりに観直してみると細部をことごとく忘れておりました。ひどいものです。唯一覚えていた終盤の飛行機が墜落するシーン、スクリーンプロセスを使った迫力満点の場面は、こうしてテレビの画面で観ても強烈です。前半はスクリューボールコメディのようなテイストもあり(ジョエル・マクレイがバスローブ姿でラレイン・デイの寝室に入り込むところなど)、一方で風車の場面での高低差を有効に使ったサスペンス演出など実にすばらしく、ヒッチコックのベストの仕事とは言えないにせよ、傑作と言っていい出来ではないでしょうか。殺し屋に追われたジョエル・マクレイがホテルの屋根を伝って歩く際に電飾を壊してしまい、「HOTEL EUROPE」が「HOT EUROPE」になったり*2と、細かいこともやってます。