『亡国のイージス』(阪本順治)

新宿ピカデリー1にて。
nobodyのサイトに掲載されている梅本洋一さんの評を読んで、あまり期待せずに行ったのですが、いやいやこれは傑作と言っていいんじゃないでしょうか。ラストの真田広之の手旗信号、あの真上からの、上空からの視線に賭けられた決死のメッセージには思わず涙がこみ上げてきました。アクションを垂直軸に沿って設計する阪本順治の演出は実にまっとうだし、娘に向けた視線に始まる上方への視線(見上げる視線)が、ラストのあの手旗信号を導くというあたりも、非常に綿密に組み立てられています。