『ボディ・バッグス』(ジョン・カーペンター、トビー・フーパー)

ビデオで。テレビ用の作品で、30分の短編3本からなるオムニバス。「ガス・ステーション」「ヘア」をジョン・カーペンターが、「アイ」をトビー・フーパーが、それぞれ監督しています。なかでも「アイ」がずば抜けておもしろかったです。事故で片眼を失い生体移植手術を受けた野球選手(マーク・ハミル)が、移植された眼球の元の持ち主である連続殺人犯の見たイメージを幻視し、次第に殺人犯に同一化していくのですが、彼が幻覚を観るのはフレーム(窓枠だったりベビーベッドの柵だったり)を与えられたときがほとんどであり、つまりはここでも「映画」が問題になっているのです。カーペンターのパートも決して悪い出来ではなく、30分という限られた時間で小さなアイディアを演出するその手腕は確かなものです。ゲスト出演者もサム・ライミロジャー・コーマンウェス・クレイヴンと実に豪華で、つなぎの死体置き場のパートで嬉々としてストーリーテラー役の「死体」を演ずるカーペンターさん本人の姿も含めて、とても楽しい作品でした。