『モダン怪談 100,000,000円』『石川五右ヱ門の法事』(斎藤寅二郎)、『腰辨頑張れ』(成瀬巳喜男)

東京国立近代美術館フィルムセンターにて。特集「シネマの冒険 闇と音楽 生誕百年の監督たち」の中のひとつで、小原孝さんのピアノ伴奏つきでした。すべて初見。
斎藤寅二郎の映画は大学生の時に2本ほど観たきりなのですが、今日の2本も含めてものすごくおもしろくて、もっともっと観たいという気持ちにさせられます。音の表現など実にうまいわけです。成瀬の『腰辨頑張れ』は貧乏生活の描写や子供の病気(怪我)と入院など、小津安二郎作品に頻出する主題を扱っているわけですが*1、影の誇張(ドイツ表現主義的?)だとかフラッシュバックだとかクロースアップの多用だとかは独特で、紙飛行機の飛翔のイメージも含めて、これまたとてもおもしろく観ることができました。

*1:小津というよりも、この当時の松竹蒲田作品の特色ということなのかもしれませんが、小津以外をそれほど多く観ているわけではないわたしには判断しかねるところで、まずは小津を連想してしまったのでした。