- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2003/06/11
- メディア: 単行本
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もちろんこの本の「まえがき」には「これは『現代思想の術語を駆使した映画批評の本』(そんなもの、私だって読みたくありません)ではなくて、『映画的知識を駆使した現代思想の入門書』なのです」と書かれており、あくまで主眼は映画批評ではなく現代思想の解説・紹介にこそあるのでしょうから、上記のような文句は的はずれなのかもしれません*1。しかし仮にそうだとしても、全く同じ理由で、「現代思想」がこれほど退屈なものであるなら、そんな「思想」について書かれた本なんて必要ないんじゃないかと思うわけです。
感じている違和感をうまく言葉にできないのがもどかしく、その一方で、わたし自身がこの「日記」で書いている映画の感想も同種の退屈さしか生みだしていないのではないかという反省や恐れもまたあるのですが。
付け加えると、わたしが読んだのは初版第一刷ですが、商品としていかがなものかと思うほど誤植やてにをはの間違いが多かったです。誰かこの「症候」をラカン理論で分析してあげてください。そういうの喜びそうですしね。
*1:ただし、「あとがき」には「はじめて単著の映画論を出して頂くことができて、私自身はたいへんに幸福な気分である」と書かれているのですが。