『インフェルノ』(ダリオ・アルジェント)

今日からゴールデンウィーク休暇です。映画の日なのでがんばって2本ぐらい観ようと計画していたのですが、朝起きてみたら身体が重くてとてもじゃないですが外出できる状態ではありませんでした。こんな感じであっという間に6連休が終わってしまうような気がしてなりません。
しかたないので本日は自宅でDVDを。「魔女三部作」の二作目になります。観るのは2回目です。以前の感想はこちら
映画の最初の方で、女性が地下に降りていくと床に穴があいて水がたまっている場所があって、のぞき込んだ女性がうっかりアクセサリーを落としてしまい、拾おうと水の中に腕を入れるのですが微妙に届かず、結局床下の水の中に潜るというシーンがあるのですが、この一連の展開が悪夢のような感覚で、実にすばらしいのです。普通に考えれば、地下室にある得体の知れない水の中にひとりで潜ることなど考えにくいわけですが、そうせざるを得ないような有無を言わせぬ描写の力がここにはあります。穴の中は思った以上に広く、潜ってみると実は部屋で、その部屋全体に水が充溢していることがわかるのですが、奥の扉から死体が次々に漂ってきて、アクセサリーを拾って戻ろうとする女性にまとわりついてくるあたり、まさに悪夢としか言いようがありません。
ダリオ・アルジェント的な「家」の物語でありながら、以前にも書きましたが、床下や裏階段などから際限なく空間が広がり迷宮化するあたりはウェス・クレイヴン的でもあります。「首の切断」というもうひとつのダリオ・アルジェント的主題も、十全に繰り広げられます。