『プリンス/グラフィティ・ブリッジ』(プリンス)

DVDで。初見。


『パープル・レイン』の続編という位置づけらしく、物語的にも似通った構成をとっています。しかし、『パープル・レイン』のラストで演奏されるタイトル曲がその楽曲の力で主人公の大逆転劇を説得力あるものにしていたのに比べると、『グラフィティ・ブリッジ』ラストの「Still Would Stand All Time」にはそこまでの力がなかったように感じました。いや、曲自体は非常にいい曲だし、わたしも好きなんですよ。物語上のおおきな役割を担わされるほどの力はなかったというか、そういう曲じゃなかったということなんだと思います。


もうひとつの特徴は書き割り風のセットで、往年のミュージカル映画へのプリンスなりの思い入れが感じられます。セットでいうと、プリンスの住居が自身の経営するクラブの地下にあるという垂直構造はおもしろかったです。ただし、タイトルにもなっている「橋」については空間的なたくらみに欠けており、いささか残念な出来映えでした。