『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(J・J・エイブラムス)

吉祥寺オデヲンにて。


J・J・エイブラムス期待の新作、なのですが、わたしにはあまりピンと来ませんでした。登場シーンで水を飲み斜面を滑走してみせたヒロイン(デイジー・リドリー)は終始魅力的でしたが、しかしそれらの主題が展開されることはなく(「水」についてはジョン・ボイエガが怪物と並んで水場の水に口をつける場面がありましたが、それ以降は発展せず)、ハリソン・フォードの橋からの落下も、ヒロインが終盤で繰り広げるライトセイバーによる闘いも、スクリーンに運動を波及させることなく終わってしまったように感じます。


物語を駆動する地図については実に中身のないものであり、正しく「マクガフィン」的でありました。その点でこのフィルムは古典的なサスペンス映画の構造を持っていると言えます。