DVDで。初見。
非常によかったです。メイキングでデヴィッド・コープ自身も言及していましたが、『赤ちゃん教育』(ハワード・ホークス)を想起させるような細部も多く、コメディ作品としてもとても優れています。
他人や物事をまっすぐ見ようとしなかった主人公が、幽霊が見えるようになったことをきっかけに、「ちゃんと見る」ことを学んでいくという物語自体、映画そのものを描いていると言えます。主人公がヒロインのティア・レオーニを初めてまともに見るのは、彼女が考古学者として行う講演の場であり、壇上と客席という関係性はそのまま映画館のそれを意味します。また物語終盤で、それまでまともに相手にしてこなかった幽霊たちをまともに見つめ返し、彼らの望みを叶えていくことを通して、主人公はヒロインとその元夫を救うことになります。そのとき、幽霊たちを消すものが強い光の照射であることは、映画館の照明が明るくなりスクリーンが白々と照らし出されるあの時間を容易に想起させます*1。
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: DVD
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*1:幽霊たちに向き合う直前、歯科医である主人公は診察台に横たわり、ライトで自身の顔を照らし出していましたが、あれも映画に向き合うための儀式だったと言うことかもしれません。