『夢で逢いましょう』第3話

いささか停滞気味のきらいはありますが、それでも最後には少し涙腺を刺激されてしまいました。などと言うと大げさですが、まだ十分に楽しめる水準だと思います。
それにしても押尾学の役柄は実に秀逸で、彼の演技のおかげでずいぶんとこのドラマの表情が豊かなものになっていると感じました。とにかくおかしい。ことさらおかしな演技をするわけでもないのに、観ているこちらは思わず笑ってしまう。押尾自身の持っているリズム感が、あの独特の間合いを生んでいるのでしょうね。
 
不満もあって、最後の方で、長塚京三と矢田亜希子が自分の職業に対する気持ちを吐露しあう場面で、応接間のソファに座らせるという演出には、やはり納得がいかないです。あそこは間違いなく、隣の仏間で、視線を交わらせることなく話をさせなければならないところですよ。
 
今後の展開としては、永井大演ずる主人公の幼なじみが抱えている秘密だとか、毎回必ず挿入される主人公の幼少時の回想の位置づけだとか、このあたりがどう処理されるのかが、まあ一般的な興味を喚ぶところでしょう。