『夢で逢いましょう』第6話

最近いささか停滞気味でしたが、今日はとてもよかったです。長塚京三が病院に駆けつけるところでは思わず目頭が熱くなってしまいました。先週の予告で倒れる矢田亜希子の姿を見て、またしても難病ものかと懸念しておりましたが、ただの過労でしたね。それにしても深夜の病室で父と娘が話をする場面は、今ここにいない母親への思いがまたしても涙を誘いつつ、深刻になりそうな空気を長塚が冗談で和らげるあたりの情感の演出がすばらしいと感じました。それに先立つ料亭のシーンでは、カウンターに並ぶ男三人と女将という絵柄がまたしても小津を想起させますが、そういう意味では六平直政と長塚京三がカウンターで酒を酌み交わす場面が毎回必要だったのではないでしょうか。
 
ところで、最終回で矢田亜希子が誰かと結婚するとして(結婚しないで父と暮らし続けるという結末もありえますが)、おそらくは押尾学が相手なのでしょうけど、となると今後は押尾がどこで長塚に承認されるような展開になるかが見どころとなるのでしょう。その時に、以前指摘したような「横に並ぶこと」「視線を平行させること」という主題がどうからんでくるか(あるいはからんでこないのか)が注目されるところです。