『マスターズ・オブ・ホラー』(ジョージ・A・ロメロ、ダリオ・アルジェント)

DVDで。今回が初めて。ロメロ編はゾンビ映画になっていて、そういう意味ではまさに本領発揮です。ラストの鏡の使い方など、演出的にも切れがありました。アルジェント編は、事件の目撃者としての黒猫という設定で、原作の主題がダリオ・アルジェント的な主題にうまく重なり合っています。主人公(ハーヴェイ・カイテル)がキャメラマンであることと、家の壁に妻の死体を塗り込めるという行為には、視覚的な錯誤という接点で関連があるわけですが、それが一緒に塗り込められた猫のたてる音によってあばかれるという展開には、映画的な知性が感じられます。主人公に殺される妻が音楽家だということも、ここに関連してくるでしょう。