『DOGTOWN & Z-BOYS』(ステイシー・ペラルタ)

バウスシアターにて。boid presents Sonic Ooze Vol.7「爆音サーフの夜」の3週目です。疲れていたので明日にしようかとも思ったのですが、観ていて逆にどんどん元気が出てきました。
ロサンゼルスのスラムから出てきたサーファーたちが陸に上がってスケートボードで遊び始め、最初は波乗りの再現として始まったそれが、徐々に過激さを増し、水を抜いたプールでの滑りを通してさまざまなテクニックを洗練させていく、そこにはなんとも言えない魅力があって、わたし自身はサーフィンやスケートボードといったものとは全く無縁なわけですが、そんなわたしであっても強く魅了される何かがあります。かつてはリゾート地として、遊園地や海岸に多くの人が集まった「ドッグタウン」というその土地の、今や一転して人が寄りつこうとしないゴーストタウンと化したありさま、そしてそこに育った若者たちが、文字通り死とすれすれな遊戯に夢中になり、さらにスケートボードで成功を収めてのし上がっていき、しかし結局は資本に取り込まれてしまうといった成り行きには、短絡的な発想かもしれませんが「アメリカ」の栄光と悲惨を見るようで、そこにもまた、これまでいくつかの「アメリカ映画」を観てきたものとして、強く魅せられるのです。ここには「アメリカ映画」の前提となるものが確かにあります。