『スターマン/愛・宇宙はるかに』(ジョン・カーペンター)

DVDで。ものすごくいい映画です。カレン・アレンの住む湖畔の家だとか、鹿を甦らせるジェフ・ブリッジスをアレンが食堂の窓から見つめるシーンだとか、クレーターに行く手前の食堂でパイを食べるところだとか、ひとつひとつの場面が丁寧に作られていて、観るものの映画的な記憶を喚起してやみません。ハイウェイの検問を抜けるという場面をああいう演出で作ってしまう大胆さにも驚かされます。トラックの荷台で一緒になるネイティヴ・アメリカンの女性とその向こうに見える「西部劇」の風景(あれはアリゾナでしょうか?)であったり、ヘリコプターに吊り下げられて輸送される宇宙船のショットが挟まれたりするのを観ているとうれしくなるし、愛おしさすら感じてきます。