『オーシャンズ12』『エリン・ブロコビッチ』(スティーヴン・ソダーバーグ)

DVDで。ともに初見。今日の東京は天気はよかったものの強い風が吹いて猛烈に寒かったわけですが、びゅうびゅういう風の音を聞きながら暖房の効いた部屋で昼間から飲めないお酒をなめて頭クラクラしながらDVDを観るっていうのもささやかな贅沢という感じで実に愉快でございます。
ソダーバーグ作品は心の底からおもしろいと思ったためしがなくて、ついつい公開時にも観逃してしまうわけですが*1、この2本もケラケラ笑いながら楽しく観終えはしたものの、全面的にいい映画だとは言い切れないものがあって、例えば『オーシャンズ12』のラストのどんでん返しなんて実にひどいものだし、それよりいくらかマシな『エリン・ブロコビッチ』にしても、細部が有効に機能しているとは言い難いわけです。いずれも脚本がまずいことは明らかで、『エリン・ブロコビッチ』なんかは同じ題材で違う脚本家・違う演出家が作り直せばかなりおもしろい映画になるような気がします。
とはいえ『エリン・ブロコビッチ』のアルバート・フィニーはすばらしいですし、ジュリア・ロバーツ演ずる主人公がほとんど精神的に成長しないというのもいいと思います。『オーシャンズ12』も冒頭のブラッド・ピットがトイレの窓から飛び降りるシーンなどは悪くないですし、ヴァンサン・カッセルが美術館のエントランスに張り巡らされたレーザー光線を超人的な動きで避けまくるという場面には、あまりのばかばかしさに大笑いしてしまいました。

*1:フル・フロンタル』も観逃してます。近いうちに観ようっと。