『パニック・ルーム』(デヴィッド・フィンチャー)

DVDで。公開時に観て以来、2回目。わたしはどういうわけだかこの映画がとても好きなのですが、その理由をいまだにうまく言い表すことができません。デヴィッド・コープによる脚本のすばらしさだとか、ヒッチコックへの言及だとか、フォレスト・ウィッテカーの存在だとかもあるでしょうが、どうもそればかりではないようです。壁による断絶、サイレント映画的要素、なども関係あるでしょうし、強盗団とジョディ・フォスターが「パニック・ルーム」の内と外を入れ替わるという構成も、実によくできています。そしてあの母娘ふたりが住むには広すぎる家、4階くらいあって中央を大きな階段が占め、エレヴェーターもついているというあのだだっ広い空間(引っ越し直後ということもあって、なおさら広く見える)が、なんとも魅力的なのです。