『裏窓』(アルフレッド・ヒッチコック)

DVDで。加藤幹郎の本を読むためにひさしぶりに観直したのですが(予習です)、やっぱりとんでもなくすごい映画で、特に後半はすっかり引き込まれて時の経つのも忘れてしまいました。サスペンス演出の巧みさはもちろんのこと、ジェームズ・スチュアート演ずる主人公は映画を観る観客であり、フィルムに像を定着させて物語を紡ぐキャメラであり、なおかつそのフィルムをスクリーンに投影する映写機でもある、という設定にも驚かされます。さらに(誰かが言っていたと思うんですけど)これは結婚をいやがるジェームズ・スチュアートが恋人のグレース・ケリーに捕まるまでを描いた映画でもあります。セットの造形、編集の絶妙さ、効果音の使い方の繊細さなど、どれをとっても一級品です。ということで、加藤幹郎の本を読んでまた何かあれば書こうかと思います。