『ボーン・スプレマシー』(ポール・グリーングラス)

DVDで。1作目同様、なかなか悪くない作品に仕上がっています。格別新しいことをやるわけでも派手な爆発で盛り上げるわけでもなく、視線を用いて着実にサスペンスを作り出す演出が好ましいです。中盤のマット・デイモンが警察から逃げるところ、電車>川船>鉄橋>電車という移動では、巧みに上下軸を活かしつつ、川と鉄道という映画的な装置を使って飽きさせませんし、ラストのカーチェイスも最後は視線の劇として設計されていて、わたしたちはそこで言葉の正しい意味での「アクション」が生起するさまを、確かに眼にすることができるでしょう。
(06/1/3記)