『ミュンヘン』(スティーヴン・スピルバーグ)

新宿ピカデリー2にて。2回目。
前回観た時にも気になっていたのですが、作品冒頭でオリンピック選手村に忍び込む「黒い九月」のメンバーたちが、バッグから銃と一緒に帽子を取り出し、仲間に投げ渡すところがあります。テロリストの中にはカウボーイハットをかぶった人も混じっています。ユダヤ人暗殺チームが二人目のターゲットを電話機に仕掛けた爆弾で暗殺するシーンでは、エリック・バナがかぶっていたハンチングを脱ぐのが電話をかける合図ともなっていました。結局失敗に終わるスペインの別荘地での狙撃シーンでも、エリック・バナダニエル・クレイグは黒いニット帽をかぶっていて、見つかって逃げていく時に銃とともに帽子も脱いで投げ捨てます。この映画においては、「帽子」がパレスチナ人テロリストからユダヤ人の暗殺チームに受け継がれ、そしてテロルとしての「帽子」は終盤にいたって放棄される、ということになるでしょうか。