レッド・ツェッペリン『聖なる館』

土曜日のboid presents爆音レイトのイベントで、青山真治が最後にかけたのがレッド・ツェッペリンの「丘のむこうに(Over The Hills And Far Away)」でした。ひさしぶりに聴くツェッペリンにはとても心を動かされ、それ以来ずっと頭の中でこの曲が鳴り響いています(もう一曲頭から離れない曲があって、『オペレッタ狸御殿』で由紀さおり平幹二郎が歌うラップの曲なのです)。アルバムは全部持っているのですが、みんな実家の押入の中にしまってあって手元には1枚もありません。どうしても聴きたいので、しかたなく会社帰りにこの曲が入っている5作目のアルバム『聖なる館』を、4作目と一緒に買ってきました。

聖なる館

聖なる館

高校の時はレッド・ツェッペリンとプリンスとストーンズをひたすら聴きまくってまして、ツェッペリンで言うとセカンドと『プレゼンス』(7作目)が大好きで、特にセカンドはテープがデロデロに伸びるぐらい何度も何度も繰り返し聴いたものです。それに比べると聴く頻度の少なかった『聖なる館』ですが、こうやってひさしぶりに聴き返してみると、4作目の成功があって後の、バンドとしても脂ののりきった時期のレコーディングということもあり、非常に質の高い楽曲が揃っていることがよくわかります。セカンドアルバムの未整理のままぶつけられたような強烈なエネルギーの噴出でも、『プレゼンス』の時のような自らを追いつめて作り出した悲壮感漂うストイシズムでもなく、あくまで自然体の、自信に裏打ちされた、余裕を持ったテンションの高さ、とでも言いましょうか。