『ランド・オブ・ザ・デッド』(ジョージ・A・ロメロ)

新宿アカデミーにて。最高におもしろかったです。ジョン・カーペンター同様、ロメロのこの新作にもハワード・ホークスの残響を聞くことができますし、その他の様々な映画の記憶も立ち上がってきます*1サイモン・ベイカーとロバート・ジョイの関係なんて(さらにそこにアーシア・アルジェントが絡んでくるあたりも)、まさにホークスの『脱出』ですよね。そしてロバート・ジョイが銃口につばをつける仕草!
デニス・ホッパーら数少ない富裕層が住まう塔(というか高層ビル)と、大多数の貧しい人たちが暮らす地上のスラムのような場所との対比も、明確に構造化されていて、その塔を砲撃するためにジョン・レグイザモが戦車を止める山の上や、周囲を川で囲われた街に入るための跳ね上げ橋など含めて、映画的空間性が実に見事に構築されています。デニス・ホッパーが死ぬ駐車場のシーンもよかったです。

*1:そこには『ニューヨーク1997』『エスケープ・フロム・L.A. 』(ともにジョン・カーペンター)も含まれます。