『ポーラー・エクスプレス』(ロバート・ゼメキス)

DVDで。劇場公開時に観逃していたのでこれが初めて。滑走と停止の物語。主人公の少年が映画の前半で幾度も列車を止めるのは物語的必然なわけですが、滑走を描くためにこそ停止が求められるという描写上の要請によるものでもあります。一方、この映画においては「落下」は控えめなかたちでしか描かれません。
もうひとつ、これが「家に帰る」物語であることも指摘しておくべきでしょう。「家に帰る」ことを執拗に描く映画作家といえばスティーヴン・スピルバーグの名前がまず思い浮かびますが、ゼメキスもまた、「家に帰る」という話を好んで取り上げてきました。『キャスト・アウェイ』もそうですし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』三部作も、過去や未来から家=現代に戻ってこようとする物語です。