『セーラー服と機関銃』(相米慎二)

先日出たデジタル・リマスター版DVDで。『完璧版』ではなく、112分の最初の公開版です。ちゃんと観直すのは十数年ぶりでしょうか。
セーラー服と機関銃』は身体の映画というよりも口唇器の映画であり、ラストのキスへと至る展開や「歌」と「楽器」など、後の傑作『東京上空いらっしゃいませ』で展開される主題系が、すでにこの2本目の監督作で十全に示されていることに、いまさらながら驚かされました。
わたしはこれまで相米慎二フィルモグラフィーを「身体から口唇器へ」という流れで捉えていたのですが、身体から口唇器への移行ということではなく、両者のせめぎ合いの場として見るべきなのかもしれません。もう少しちゃんと考え直す必要がありそうです。