『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』(デヴィッド・コープ)

BDで。初見。デヴィッド・コープにとって、自身がクレジットされていない脚本作品を監督するのは、テレビドラマやショートフィルムを除くとこれが初めてではないでしょうか。そのことが原因なのか、過去の監督作と比べても、いくぶん弛緩した印象を受けました(コメディタッチであることはおそらく無関係でしょう)。
とはいえ、このフィルムにおけるデヴィッド・コープの関心事は、おそらく物語の構築性より登場人物同士の関係性のほうにあって、たとえばグウィネス・パルトロー演ずる主人公の妻が、夫を助けるために自分に思いを寄せるユアン・マクレガーを誘惑し情報を引き出すといった展開にあって、典型的な「ひとりの女とふたりの男」に説得力をもたらすべく、いかにグウィネス・パルトローを魅力的に見せるかといったことにこそ、力点が置かれているように感じました。