『DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT』(コジマプロダクション/ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

PS5版をプレイ。プレイ時間はトータル126時間、現在のトロフィー取得率は98%。レースゲームでどうしてもSランクが取れず、プラチナトロフィーはあきらめました。
昨年末にPS5をようやく手に入れることができて、さてなにを遊ぼうかとなったときに選んだのがこのタイトルでした。トロフィー取得状況によれば、昨年12/28に開始して今年の1/31にストーリークリア。その後も3月中旬ぐらいまでは連日プレイし続けていたようです。レースゲームには直近までチャレンジしていたため、感想を上げるのが遅れてしまいました。

 

端的に言って非常に素晴らしい作品でした。主人公サムは荷物を担いでひたすら歩き続けるわけですが、その歩く感覚、移動する感覚がとにかく素晴らしい。コントローラーによるキャラクター操作と、歩行(移動)が地続きにつながっているような感覚と言えばいいでしょうか。

ビデオゲームとは入力と(その結果としての)出力の連続を経験することですが、そのinputとoutputの連続性をダイレクトに感じられる…いや、実際には間接的な体験に過ぎないのですが、そのことを忘れさせるようなUI設計の巧みさと、進化したゲームハードのテクノロジーとが絶妙に結びつき、ほかに代えがたい体験となって結実しているように感じました。

他方で、ストーリーにはあまり心を動かされませんでした。恋人が世界の破滅を連れてくるというセカイ系的な物語は、今日あまり切迫感をもっていないように思いましたし(このゲームが発売された2019年であってもそれは同様です)、「手」や「つなぐこと」「つながること」の主題系も、いささか説明が勝ちすぎているように感じました。もちろん言うまでもなく、これはわたしの個人的な感想にすぎません。また、単なるセカイ系にとどまらず、身近な人間関係と世界の破滅の中間層に「社会」を回復させる物語なのだ、という見方もあるかと思います。

ともあれ、得難い経験をさせてもらえたことは間違いありません。現在開発中の続編にも期待しています。