『グラン・トリノ』(クリント・イーストウッド)

新宿ピカデリーにて、2回目。
誤解のないように付け加えておきますが、わたしが「身も蓋もない欲望」という言葉で言いたかったのは「変態イーストウッド」や「被虐嗜好」の話ではありません。それがどんなものかはわたし自身にもよくわからないのですが、「映画」が欲望する欲望というものがあるとして、個人のコントロールを超えたものであるはずのそのような欲望を、ここでのイーストウッドがあられもなく欲望しているかに感じられるという意味で、これは空恐ろしいフィルムなのだと思うのです。