『ザ・ミッション/非情の掟』

今日はビデオで『ザ・ミッション/非情の掟』(ジョニー・トー)を観ました。
 
なるほどこれは面白い。何者かに命をねらわれている黒社会のボスを5人の男が護衛するという話で、なぜねらわれるのか、暗殺をたくらんでいるのは誰か、といった部分には物語の主眼はなく(一応最後の方で説明されるのですが)、ひたすら護衛の場面が続くのです。ジャスコでの銃撃戦など、実によく考えられた演出で、時間と空間、音響の使い方が非常にうまいと感じました。ビルの谷間で起こるライフルによる狙撃場面もよかったです。
 
最後にちょっとしたオチを用意して、全体を80分ぐらいで収めるという構成も、なかなかのものなのではないでしょうか。
 
殺し屋たちに襲われる場面の緊迫感と対比させるように、護衛の合間の停滞した時間を過ごす5人の男たちの場面がいくつかあって、タバコのなかに花火を仕込んだり、ボスのオフィスの前の廊下で丸めた紙くずを使ってサッカーに興じたりするのですが、こういう場面もまた、とても効果的だと思いました。